ニール・サイモン追悼

 今朝のネットニュースで、アメリカの劇作家、ニール・サイモン氏が逝去したことを知った。うちの職場にはアメリカ演劇の専門家がいるので、その文化的功績は後で聞こうと思うのだが、個人的には、彼が脚本を書いた一本の映画が忘れられない。
 それはThe Goodbye Girlという作品だ。1977年の映画で、リチャード・ドレイファスとマーシャ・メイスンが主人公の映画だ。売れない俳優と彼氏にいつもいいところで逃げられてしまうシングルマザーのダンサーの話。心温まるヒューマンコメディーで、初めて見たのは学生時代に授業をサボって見に行った東銀座の小さな映画館だったと思う。笑いの中に涙あり、人の優しさあり、後悔あり、と人間の感情を素晴らしく、ニューヨークのアパートと普通の暮らしの風景の中に豊かに描いた作品だ。この映画でリチャード・ドレイファスアカデミー賞も得ている。ちなみに、リチャード・ドレイファスとマーシャ・メイスンはその後、「第二章」という映画でも共演していたはずだ。この映画は何度も何度も見て、英語も覚えたし、スパゲティーにはキャンティーも合うということも学んだ。アメリカの素顔のようなものを肌で感じることができる、そう思える映画だった。だから、自分でもその後、DVDを買っている。もう一度、個人的な追悼をしながら、見直してみようか…。