£4.IOs.od.の謎

 前回書いたThe Meaning of Everythingを読んでいたら、Samuel Johnsonの英語辞書の一冊の値段について£4.IOs.od. a copyと書いてある。はて、いったいこれはなんだろうか?最初は例の電子版で読んで見つけた箇所なので、てっきり、例のタイプミスだと思い、改めて、紙の書籍で調べ直したら、なんと同じである。ミスではないらしい。

 では、いったいこれはなんの記号なんだろうか?辞書でIOSを検索しても見つからないし、google先生に聞けば、今時はiOSということでしか引っかからない。そもそもIO(アイ、オー)というアルファベットなのか、数字の10なのか。od.の部分もアルファベットのoなのか、数字の0なのか。d.は何を表しているのか。

 あれこれとネットを探してもわからないので、ふと、これが値段表示であることを思い出し、「IOs.od. 通貨表示」と検索してみたところ、19世紀の穀物取引の記録が見つかった。IOSと書かれているところに下に、6Sとあるから、このIOは数字の10だ。どうやら、数字の10をアルファベットのIOで代用しているらしい。さらに、6d.という表記もあるので、od.も数字の0のようだ。

 あとは、このs.とd.の記号の意味だが、sはシリングのことだとすぐに分かったが、d.がわからない。さらにgoogle先生に尋ねてみると、19世紀のイギリスではシリング以下の単位で、d.を使っていたことがわかった。これで、値段表記の意味もわかった。

 新年早々、いい勉強となる。今年も、学ぶ姿勢と喜びだけは忘れたくない。