オープンな世界とクローズドな世界

 仕事の都合でどうしても、複数の辞書を串刺し検索しなければならなくなった。これまで、辞書はiOSバイスにインストールした辞書アプリで凌いできた。一応、これでも英語のプロであるから、英語辞書アプリの主だったものは購入してインストールしてあるので、辞書ごとに調べるのならば、これでも十分かもしれない。

 しかし、串刺し検索ができれば、様々な例文などが一度に検索可能となる。色々と調べてみたら、どうもiOSの辞書アプリでは対応していないらしい。Androidだとそれができるとのこと。オープンなAndroidなら可能であり、クローズドなiOSではセキュリティーの都合でそれを許していないようなのだ。

 かといって、今更Androidバイスを購入したくもない。そもそも最近は単に物欲がなくなってきただけではなく、物理的にものが増えること自体が嫌になってきた。さらにAndroidバイスを購入して、新たに辞書アプリを買うとかなりの出費となる。そこで、今更ながら、電子辞書に目をつけた。

 調べてみると今や電子辞書でまともなものはカシオしか選択肢がない。コンテンツの数とコスパではずば抜けている。木になる串刺し検索も、今年のモデルからできるようだ。電子辞書はiOS以上にクローズドな世界なのだが、逆に、ここから変化することもなく安心して使うことができる。

 とかくオープンな世界の方が居心地が良さそうだが、事と次第ではクローズドな世界の方が居心地がよくなることもあるようだ。そういえば、私は広めのリビングにいるよりも狭い納戸の中にいる方が心休まるタイプだ(笑)。