恐ろしい治療の歴史

 新聞だったか雑誌の書評欄で、『世にも危険な医療の世界史』という本が紹介されていたので、kindle電子書籍で読んでみた。いやはや、その内容な本当に人間は医療の名の下に、知らぬとはいえ、すごいことをしてきたんだなと思い知った。

 特に驚くのはギリシャ時代の人間の4体液説がかなり長い間、近代まで踏襲されていたことで、それにより血液を抜くことや、浣腸することで排泄を促して、体の中の液体を抜いてしまう考え方が治療として存在していたことだ。本当に医療行為だと信じていた人もいれば、中にはインチキの似非医療者もいたらしい。

 この本は皆さんも読んでいただく方がよろしいかと思うので、詳細は書かないが、怖いなと思ったのは、この本を嘲笑することができないことだ。現代だって、「デトックス」の名の下に、怪しげなマッサージやらサプリメントが流行っているではないか。いつの時代も、人は健康で長生きしたい、病気を克服したい、その願望だけは変わらないようだ。