あのころの夢をもう一度

 何回か前に小説のReplayの話を書いた。実際に人生をやり直すことは出来ないが、若い頃の趣味や、若い頃にあこがれていたけれど、出来なかったことなら何か出来るかもしれない。さすがに若い頃のようにテニスやスキーをするわけにはいかないが、その他の道楽ならもう一度出来るかもしれない。
 高校入学時に初めて、コンポーネントステレオを買ってもらった。当時は部屋も狭くミニコンポンで我慢するしかなかったし、予算のかねあいもあったので、AIWAのミニコンポだった。以来、アンプ、スピーカー、プレーヤー、カセットデッキ、チューナーと買い換えていき、大学になって、バックロードホーンスピーカーにまで手を出した。大学3年になると興味の対象はオーディオからコンピューターへと移り、大学院から社会人になって、パソコンが道楽の主流となった。
 結婚を気に、アンプやスピーカーなどは売却して、それからオーディオはパソコンの周辺機器として、それほど気には止めなくなり、最後にはBoseのSoundlink miniでも満足してしまうほどになった。
 だが、この数ヶ月、そろそろステレオ感のあるスピーカーで音を聞きたいという欲求がつよくなり、たまったポイントを使ってアンプを、そして、大学時代に手を出したバックロードホーンスピーカーを大須のオーディオショップで見てからは、もう一度聞きたいという欲求が強まり、あれこれ他のスピーカーなども考えたが、やはりFostexのP1000-BHと決めた。これは箱だけなので、次の問題はスピーカーユニットだ。
 手軽なのはFostexのP1000Kだが、ショップで聞いたら、高域が弱い。そこでちょっと奮発して、FE103NVにした。
 最後はアンプだ。3000円台の安い中華アンプも考えたが、うまく量販店のポイントを使い、外箱が汚いというアウトレット扱いのマランツPM5005にした。古いモデルだが、価格を考えれば十分だし、なんといっても若かった頃には手を出せなかったマランツブランドだ。オーディオショップでもまだ現役で販売されている機種だし、安心感は高い。
 ネットでそれぞれの部材を注文して、一昨日、ようやくスピーカーの組立を終わり、壁際の配線もうまく隠すようにDIYショップで配線をまとめる部材を買って、きれいにまとめた。
 さて、音だ。まだエージングされていないスピーカーというのはかさついた肌のような音を出す。艶がないし、まとまりを感じない。これがユニットのエージングがじんわりと進んでいくと、パルマ産のプロシュートのような飴色の音になっていくんだろうと思う。
 ちなみに、このユニットだと、ジャズやフュージョンがすばらしい。アールクルーのギターの音色の美しさがやっとわかった気がしてきた。

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