模型づくりから学ぶこと

 最近、このブログでは、私の作るペーパークラフトのことが多くなっている。まあ、一番の目的は、「こんなの作ってんだよ。褒めて!褒めて!」という承認欲求だ(苦笑)。
 今作成中のフェラーリだと一番小さな部品がおそらく、シフトレバー、爪の先の白いところと同じほど。完成すればほとんど見えない。サスペンションだって、細かく紙の白いところを黒やシルバーのサインペンで仕上げているが、それも細かすぎるし、消火器に至っては、完成後カウルに隠れて見えない(悲)。
 それでも、できるだけ手を抜かず、細かいところも見えなくなるところも作り込むようにしている。あくまでも趣味だからこそ、細部までこだわっているのだが、そのたびに、マッキントッシュの裏蓋に開発者のサインをつけたスティーブ・ジョブズを思い出す(笑)。
 さて、模型づくりをしていると、一番いいのは、没頭するが故に、他のことをしばし忘れることがきることだ。細かい部品の切り出し、整形、接着、その集中時には、なにもかもが頭から消えていく。一見、ストレスがさらにかかる趣味なのだが、実は仕事のストレスをしばし忘れさせてくれる。
 模型づくりは、仕事への教訓となることも多い。一番象徴的なことは、臨機応変にならなければいけないということだ。ペーパーモデルの場合、部品の切り出しでも、のりしろをそのまま生かすか、あるいは無視するか、さらに実際に仮組みして、適宜部品を切ったり、あるいは補強の部材を入れてみたり。海外のペーパークラフトは説明書などは不親切きわまりないから、さまざまな情報も補足しなければならない。特に空間認知では、その補足が重要となる。
 ペーパークラフトではあるが、他にも使える部品があれば、それを探して使う。今回はリアサスペンションはズボンの裁断の切れ端から出ていた糸くずを使っている。
 プラモデルなどはただ部品を組み合わせるだけだと思う人もいるだろうが、塗装や仕上げは作る人によって変わってくる。部材は同じでも表現された造形物は変わるわけだ。だからこそ、趣味としてのおもしろさもある。
 何かを作るという行為は、写真であれ、音楽であれ、料理であれ、模型であれ、作成者の個性を表現する創造的なことだと、今更ながらに思うのである。