読むためのiPadと書くためのiPad

 学生からPDFや写メで送られてきた課題にApple Pencilで赤を入れて、送り返すというルーティーンがようやく確立してきた。正直言えば、これは手間がかかる。学生一人一人の課題を見ては赤で丸をつけたり、訂正したり。これなら対面式の授業で、一斉に正解を告げて、自分で治すように指導する方が遥かに楽だ。確かに手間はかかるが、この大変な時代、できることを粛々とこなしていくしかない。反対に学生一人一人の課題を見ることで、理解度を把握できるのはいいことだ。

 さて、この作業をするときに、ずっとストレスに感じるのは、実は採点そのものではなく、Apple Pencil の書き心地だった。ツルツルと滑るので、うまく文字が書けない。画面保護のために、ガラスフィルムを貼っていたから余計なのかもしれない。文字というのは、ある程度の引っかかる抵抗がなければうまく書けないものだと改めて認識した。

 そこで、ペーパーライクフィルムというのを購入して、ガラスフィルムを剥がして、代わりに貼り付けてみた。フラットな感じで、画面はちょっとギラつく感じがするもののの、Apple Pencilの書き心地は激変だ。素晴らしく書きやすい。この引っかかり具合で文字がスムーズにかける。なんで今まで、これに手を出さなかったのかと思う。書くための道具としてiPadを使うなら、このフィルムはmust buyと言えるだろう。

 しかし、である。画面がギラつく感じがするということはサイトや書籍を見るには適さない。目が疲れてしまうのだ。読むための道具としてiPadを使うなら、このフィルムはお勧めしたくない。むしろ透過性の高いものを使うべきだ。本来なら、読む道具としても各道具としても両立させたいのがiPadなのだが、なかなか難しものだ。結局解決策は複数台持ち、しかなかったりするのである。