カタチが気になる

 最近テレビだけでなく、周囲の言葉遣いの中で気になるのが「カタチ」だ。「この商品をお客様に提供させていただくカタチになっております」とか、「新しくこの商品を開発させていただいたカタチです」とか。過剰な「させていただく」も気になるのだが、それ以上に、「カタチ」ってなんだと思う。「この商品をお客様に提供いたします」という表現でいいのであって、お客から許可を得たわけじゃないんだから「させていだく」こともないし、まして、「カタチ」は要らない。なんだかインチキな敬語で「カタチ」が普及しているようなのだ。

 ちなみに、これは若い人ばかりではなく、中高年も使っているのが観察できるから、広くビジネスの中で浸透しているのかもしれない。言葉の変化は誰に求められないのは自明のことで、私も授業中で話をするのだが、好みの問題は別な話だ。不要不急なのは外出だけではなく、言葉も同じだと思う。必要のない「カタチ」はない方が良い。

 

 はて、私も時には愚痴を書かせていただくようなカタチでよろしかったでしょうか?