ちょっとした流行

 今、うちの部署ではある本が流行となっており、何人もの教員が次々とある本を購入している。それは名古屋大学戸田山和久教授が書いた『教養の書』(筑摩書房)というものだ。この本は口語体で学生に語るように書かれていて、教養とは知識の断片を争うのではなく、それを使って行動することだと書いてある。私も日頃学生に話している内容をうまくまとめてもらった感じがして、うんうんと頷きながら読んでしまった。

 今の学生は知識だけならネットでいいと考えているので、教養の価値について考えたりはしない。だが、我々の所属する教養部は、まさにその教養を身につけてもらいたいと日々考えている。私は知識だけが教養ではないが知識がなければ考えることもできないし、いつだってオンラインにいるわけではなく、オフラインにいるときの潜在的な力をつけることが強要なのだと説いている。

 教養が何か、それは人それぞれの考えがあるだろう。だが、一つ言えることは教養があるからこそ人生は豊かになるし、生きる力が備わっていいくのだとということだ。