38年前の自分との対話

 研究室の本棚を少し整理していたら、大学2年生の時に読みかけていたD.CrystalのLinguisticsという本を見つけた。この本は言語学に興味を持ち始ていた頃に見つけて、読み始たものの、当時の私には単語が難しく四苦八苦しながら、赤線を弾きながら最初の2、3章までをなんとか読み進めたものの、途中で挫折した本だ。すっかり色褪せて、ページも撮れている箇所がいくつかあった。ページを捲ると当時の書き込みや赤線が見つかり、当時のことを思い出した。

 本は途中で書き込みがなくなり、そこから諦めたことがわかる。なんとなく勿体無いような気がしてきて、今なら辞書を引く回数も多くないし、すんなりと目の中に英文が入っていく。そこでもう一度読み始めることとした。38年前の自分の気づきや、解釈できなかったメモがあるなか、今の自分なら、「そこはね、こういう意味なんだよ」と解説できる。自分の成長が少しはわかったような気がするのである。