恂ニ已ムヲ得サルモノアリ豈朕カ志ナラムヤ

 先ほど、養老孟司氏の『ヒトの壁』を読了した。この本の中で、養老氏の戦後に対する考え方、生き方も語られている。その中で、昭和天皇が太平洋先生に入るときの言葉、「恂ニ已ムヲ得サルモノアリ豈朕カ志ナラムヤ(まことに、やむを得ざるものあり。あにちんがこころざしならんや)本当にやむにやまれることなので、自分の本意ではない」が至る所で出てくる。人生の中では自分の思う通りにならないこともあり、その結果判断することも行動することもある。その象徴的な言葉として使われるときもあれば、日本の文化として、主体者を表さず、みんなの総意で決めたということにするには、この「やむを得ず」の空気を作るところがあると記している。

 普段の生活の中で時として不本意なことがあり、それを飲み込む時「しかたない」と自分を納得させることがあるはずだ。その時に「やむを得ざるものあり」というのも一つの知恵かもしれない。あるいは、自分の欲望に格好をつけるときかもしれない。

 

生産停止となり、半額となったポメラを昨夜ボチった。

 

まことにやむを得ざるものあり