論語を読む

 中学や高校の頃、漢文が嫌いだった。レ点とか、一、二点とか読み下し文とか、訳がわからなかったからだ。ところが、一昨年あたりから、少し漢文に関心が出てきた。息子が受験の時に使っていた参考書をパラパラと開いてみると、面白いのだ。漢文はこうやって読めばいいのかと改めてみてみると、中国語なのだから、否定辞や動詞が先行し、次に目的語がくるのだから、考えてみれば英語と同じ。なるほど、英語だって、目的語にレ点をつけて、動詞にかえって読み下し、すなわち訳文を作っているではないか。もちろん漢文は中国語の古典だから、現代中国語とは異なるかもしれないが、中国語の文献を日本語的に翻訳しようとした試みに先人たちの知恵の深さを思い知ることができる。

 とはいえ、漢文がそれほど読めるわけでもない。そこで現代日本語訳がついている論語を読み始めた。日本語の訳文を読み、読み下し文を読み、漢文をみてみると、なるほど、特定の漢字には特定の文法的な機能があると見えてくる。なかなか面白い。

 「温故知新」は論語にある言葉だが、学生に意味を聞いたところ、「古いものを温めて、新しいことを知る」という回答が多く出てきた。読み下し文で覚える必要性がありそうだ。