私の専門は選択体系機能言語学、元々はSysytemic Functional Linguisticsという。この理論の創始者であるMichael Alexander Kirkwood Halliday、シドニー大学名誉教授が15日に逝去された。Halliday教授は言語の社会的な働き、すなわち機能に着目して子供の言語習得、言語教育、社会方言、翻訳、言語芸術、言語治療、言語進化等々、言語に関するあらゆる側面に光を当てて、数多くの後継者を育てられた。
日本にも何度も来日され、セミナーや講演をされた。私は大学院の時に1週間のセミナーでいらした先生の資料作りのお手伝いをした。当時はどれほどすごい内容なのか理解できなかったが、その後、大学院生として挫折していた私を救ってくれたのがHalliday教授の世界的名著、An Introduction to Functional Grammarだった。
その数年後、国際学会で何度かご挨拶をさせていただいたり、日本にいらした時に一緒に食事をする機会を与えられ、先生のご卓見を拝聴することもできた。
後年、An Introduction to Functional Grammarの第2版を持ち込んでサインを頂いた。私の人生を決めた本当先生である。
心からご冥福をお祈りいたします。