Replay

 大好きな小説の一つに、Ken GrimwoodのReplayというのがある。中年の男性が心臓発作を起こして死ぬのだが、18歳の時に生き返り、またそこから死ぬまでの年齢の人生を何度も何度も繰り返す、まさにreplayするのだ。ある意味、未来を知っているので、ギャンプルや投資で、お金はその都度稼ぎ、生活には困らない。ただ、結婚相手が変わったり、あるいは、生きる意味を考えたり。さらには、自分と同じようにreplayする人との出会いもあったり。

 この小説を初めて読んだのは1990年、若き日のスティーブ・ジョブズと、スティーブ・ウォズニアックも出てくるというのでMac Fanだったか、Mac Japanという雑誌に紹介されたのをきっかけにして読んだと思う。最初は翻訳で読み、その翌年イギリスに行った時に、オリジナルのペーパーバックを買った。

 この小説のプロットは結構ドラマなどでパクられていて、死んで、過去に生き返り、肉体は若いまま、精神は死んだ時のままという話がちょくちょく作られていると思う。何度読んでも面白い小説だ。

 昨日、椎名誠の小説を読んでいたら、何とこのReplayが紹介されていた。それも、疲れ果てているときに読むと、元気が出てくる本だと紹介されている。私はシーナのエッセイを飲むと俄然ビールを飲む気になり、「飲まねばならぬ、食わねばならぬ」的な発作に襲われるのだが、その尊敬するシーナのエッセイにReplayが紹介されているのが嬉しい。今でも新潮文庫から購入できるようである。「リプレイ」(ケン・グリムウッド)で検索をかけて欲しい。