もたないモバイル

 モバイルコンピューティングという考え方がずっと好きで、大学院生時代から、エプソンのワードバンクノート、東芝のSL-3100, SL-3200, あるいはMac Portableという7kgもあるものまで持ち歩いていた時期があった。技術革新のおかげで、それがHPのLX200で一つの理想型が生まれ、その後スマホになっていく。PCだって軽く小さく、バッテリーの持ちはよくなり、iPadの登場で、これもまた一つの理想型が生まれる。
 しかし…、である。モバイルをしようとすると、どうしてもあれもこれも持って行きたくなり、鞄の中身は一向に減らない。外付けキーボード、モバイルバッテリー、ポメラ、デジタルノート、iPad等々。モバイルコンピューティングは重たい荷物から解放してくれる救世主のはずなのだが、ついついバックアップが必要だから、いざというとき困るから…と、さらに詰め込んでしまう。
 だが、自分の生活の中で、一体どれだけ外で仕事をするというのだろうか?普段は研究室か自宅の書斎が仕事場だし、離れた名城公園キャンパスに行くのは週一回。あれこれ鞄に入れ込まなければならない必要性はないんじゃないだろうか。
 とはいえ、研究室でも自宅の書斎でも環境は一緒にしたい。そうだ、一緒にすればいいのである。そうすれば持ち歩く必要があるのは、せいぜいiPhoneだけだ。MaciPad Proも研究室、自宅の書斎の両方にある。ないのは、Sonyのデジタルペーパーとポメラくらいだ。デジタルペーパーはすでにDPT-CP1を注文済みだが、これだけはいつでも手元で記録できるノートとして持ち歩きたい。そうなるとあとはポメラだけか。
 研究室で使うポメラDM200はすでにある。あとは自宅用だけだ。こうして、もう一台のポメラを買ういいわけを自分の中に作り上げて、ガジェットの購入を画策している今日この頃である。