実用か道楽か

 ここに書いているデジタル・ガジェットはおおよそ文書作成、メール、Web、スケジュール管理など、仕事に使う。仕事に使う道具はパソコンであれ、タブレットであれ、研究費から購入することができ、大学業務で使用している。自分でも不思議なのだが、研究費で購入したガジェットにはプライベートで使うようなアプリはインストールしていない。もちろん、その使い方が正しいのだが、しっかりとその倫理観を失わないのは自分でも偉いと思う(笑)。

 そうなると、プライベートで使う道具はどうなのだろうか。プライベートも仕事もこの業界だとはっきりした線を引くことができないこともあるが、少なくともゲームだとか、動画のサブスクリプションはプライベートになる。そういうものを楽しむには自腹で購入したガジェットを使用したい。

 そもそも道具を使って何かをするのは実用的なことであるが、道具そのものが対象となるのは趣味・道楽である。典型的なのはオーディオマニアではないだろうか。かなりのマニアは「音」を追求するのであり、「音」を「楽しむ」のである。「音楽」を楽しむのならそこそこの機材で十分だ。

 同じように考えるとデジタル・ガジェットも実用ならコストパフォーマンス(コスパと略すのは好きではないのです)を考えればいいし、性能もそこそこでいいのである。ところが趣味・道楽として考えると、あれこれ種類も欲しくなるし、使おうが使わまいが、性能は良いものが欲しいのである。今使っているiPad Pro M2 12.9インチも、私の使用にはオーバースペックだ。実際には、2世代前のiPadでも十分である。だが、道楽である。やはり「性能高いんだぜ」を心に感じたいのである。そういう気持ちに正直になると必要性から機材は買わない。「あるといいな」が優先する感情になる。

 そういうわけで、値上げ前にiPad Pro 11インチとiPad mini6、買うかもしれない。