ブログ初め

 あけまして、おめでとうございます

 本年も、よろしくお願い申し上げます

 新年早々だが、昨日Amazonのサポートセンターに電話をして、購入した電子書籍の返金を願い出た。2003年に出版されて、ずっと本棚の肥やしになっていたThe Meaning of Everything: The Story of the Oxford English Dictinoaryという年末年始に、急に読みたくなって、電子書籍版なら便利だと思い、検索したところ、1000円ちょっとであるではないか。これ幸いと購入して読み始めたのだが…

 なんだか変な単語が出てくるのである。prompdyとか、subtdyとか、辞書には無い単語がいくつも現れる。さらにはcircumstan cesのように不必要にスペースが空いているところもある。prompdyなら前後の関係から、promptlyになるはずだし、subtdyもsubtleになっていなければ通じない。そう考えると、きっと紙の書籍をOCRにかけて電子版が作られたに違いない。lake leaveという表現もあって、あらゆる辞書を引いたが、さっぱり意味がわからなかったが、これもtake leaveなら意味が通じる。

 あまりにも単語がおかしいし、不必要なスペースはあるし、逆にスペースがなければならないところが繋がっているしで、ちっとも読書に集中できなかったので、サポートセンターに電話をして、経緯を説明したら、返品期間が過ぎているので、ギフトポイントという形で対応してもらった。

 昨日、研究室に行って、紙の書籍をめくり、該当の箇所を見てみたら、やはりpromptly, sublte, take leaveとなっていた。本の内容はとても面白くて、英語辞書の最高峰であるThe Oxford English Dictionary (OED)ができるまでの話である。なんと企画から70年近くもの歳月がかかって完成したという途方も無い辞書だ。大学院生になって、初めて使うようになったが、書籍で購入すると25冊くらいで、50万円近い値段だったのを覚えている。学生には手の出ない辞書だった(金額だけではなくて、その一冊の大きさは重さも普通の大辞典の1冊分だった!)。

 OEDは現在は3rd Editionで紙の書籍はなく、オンラインでの閲覧だけだ。毎年更新の契約で見られるようになっている。OEDは文学や語彙の歴史的研究には必須だが、私のように現在の英語が研究対象だと、引く機会も少ない。OEDの縮約版であるShorter Oxford English DictionaryだけはiOSアプリになっているので、それをたまに使うくらいだ。

 OEDは英単語の語源や意味の変遷を見るにはとても良い。英語のプロの方は、ぜひ一度図書館でOEDを引いてもらいたい。

f:id:msasaki1963:20190104121924j:image