恐ろしい治療の歴史

 新聞だったか雑誌の書評欄で、『世にも危険な医療の世界史』という本が紹介されていたので、kindle電子書籍で読んでみた。いやはや、その内容な本当に人間は医療の名の下に、知らぬとはいえ、すごいことをしてきたんだなと思い知った。

 特に驚くのはギリシャ時代の人間の4体液説がかなり長い間、近代まで踏襲されていたことで、それにより血液を抜くことや、浣腸することで排泄を促して、体の中の液体を抜いてしまう考え方が治療として存在していたことだ。本当に医療行為だと信じていた人もいれば、中にはインチキの似非医療者もいたらしい。

 この本は皆さんも読んでいただく方がよろしいかと思うので、詳細は書かないが、怖いなと思ったのは、この本を嘲笑することができないことだ。現代だって、「デトックス」の名の下に、怪しげなマッサージやらサプリメントが流行っているではないか。いつの時代も、人は健康で長生きしたい、病気を克服したい、その願望だけは変わらないようだ。

 

家庭用Wifiを更新

 長年我が家は初代のAirMac Basestationをwifiルーターとして使ってきた。書斎にBasestationを置き、リビングにはAirMac Expressを配置して、wifiネットワーク網を構築してきたのだが、最近、家族からwifiがつながらない、遅くなった、といろいろと苦情が出てきた。私自身もiPadDaznの動画をみながら、時々止まってしまうので、どうしたものかと思っていたところ、最近はメッシュWifiなるものがはやりであり、Appleも自社製品のAirMac Extreme Basestationの販売をやめて、BelkinのLinksysを販売している。そこで、我が家もそろそろ買い換え時かと思い、Linksys VelopメッシュWifiルーターの3台セットを購入した。
 Linksys Velopの3台セットはApple Storeでも販売しているが、5万円を超えるので気軽には購入できないので、実は、しばらく躊躇していたのだが、たまたまAmazonで47000円台で売っていたので、ここがチャンスと購入したのだ。
 早速設定アプリをダウンロードして、iPhoneで設定をしたのだが、実にあっさりと終わってしまった。書斎、納戸、リビングとそれぞれ配置して、ネットワーク構築は実質30分のどの作業だった。納戸においたのは、そこにバックアップ用のセットを構築するためと、向かいの子供部屋、隣の寝室にネットワークを作るためだ。

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 実は今回のLinksys Velop wifi網の構築には一つ懸念があった。それはAirMac Extreme Basestationに接続してあるSSDやHDだ。これはTimemachieやファイルのバックアップなどに使い、家庭内のどこからでもそのファイルがみられるようにしていた。だが、Linksys VelopにはUSB端子はない。代替えをするとなると別途NASの購入が必要になる。なんとか解決策はないものかとネットを探していたら、AirMac Extreme BasestationをブリッジモードにしてLinksysy VelopとLANケーブルで接続すればいいと言うことがわかった。そこにこれまでのSSDなどを接続すればいい。

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その設定も簡単で、かくして、書斎で主力だったAirMac Extreme Basestationは納戸でNASの代替えとして働いている。

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Challengeは挑戦にあらず

 今朝、ある報道番組を見ていたら、フランスのマカロン首相のノルマンディー上陸の記念式典での演説が放映された。演説の字幕のなかに「どんな挑戦も克服できる」とあり、「あ〜、またか」と思わずため息がでた。
 なにが問題なのかというと、日本人はchallengeという言葉が出ると、ほぼ自動的に「挑戦」と訳してしまうのだ。そもそも字幕を作成する人は、「挑戦を克服できる」という日本語がおかしいとは思わないのだろうか。あるいはgoogle翻訳に丸投げしているのだろうか。
 Challengeとは困難、問題の意味であり、先ほどの字幕ならば「どんな難局も克服できる」とか「どんな難問も克服できる」とすべきだ。難しい問題に対応していく、挑むからこそ、動詞のchallengeは「挑戦」となる。Challengeはチャレンジとカタカナ語になっているから、よけいに話がややこしい。
 カタカナ語になっている英語ほど、実は日本語化しているため、我々の考え方を変えていくのは難しい。マンションもいい例だ。英語のmansionは大邸宅の意味であり、ベッドルームがいくつもあって、玄関から本宅まで、数分もかかるようなところを意味する。日本語のマンションは英語にするとapartment, condominiumがいいところだ。だから、もし海外に行き、I'm livinig in a mansion.なんて言おうものなら大変な誤解を招くことになりかねない。
 カタカナ語の問題はもう一つある。カタカナ語がみんな英語だと思い込んでいるということだ。学生が英語で、アルバイトがあるという意味で、I have a bite.と書いたりするのだが、英語でbiteは噛むことであり、日本語のバイトはドイツ語のarbeitenからきていることを知らない。そのため、英語にならない英語を使うことになる。英語でアルバイトはpart-time jobだ。
 みなさんも、カタカナ語にはお気をつけあれ。

Likebook Muses購入

 少し前に心騒ぐガジェットが二つある話を書いた。iPod TouchとLikebook Mimasだ。iPod TouchについてはiPhone7があるので、必要性は低いのだが、Likebookについては、どうしても、Webでじっくり読みたいところを電子ペーパーで読みたいという必要性があるし、原稿所有のガジェットでは代用がきかない。実はKindle Paperwhiteでも体験版のwebブラウザーはあるのだが、遅いし、落ちることが多く、実用的ではなかったのだ。
 そこで、数日、毎晩寝る前にサイトで情報を集め、あれこれと考えていくうちにMimasは重いということがわかった。家庭内での閲覧が主な使用とはいえ、やはり重いのはつらい。また5万円超えは懐にもつらい。そんなときに、小さいサイズのMarsがかなり優秀なことがわかり、画面サイズは7.9インチとMimasの10.3インチよりは小さいものの、iPad miniと同じ大きさだし、片手持ちにはちょうどいい。
 気持ちがMarsに傾きかけていたのだが、ペンでの入力機能がない。それがあるのがMusesだった。価格差は7000円ほど。その差をどうとらえるかだ。もしかして、Marsが気に入って、これならペンが使える方がよかったと後悔するのもいやだし、7000円をケチって、また買い直しというのもよくないので、最初からMusesの購入となった。
 Musesはアンドロイドのガジェットだが、癖がある。ガジェット好きには問題なくおすすめできるが、素人さんには勧められない。kindleのアプリをインストールできるし、PDFの閲覧も出来るので、web閲覧とあわせるとかなりのポテンシャルなのだが、webで情報を集めて設定の仕方を事前に知る必要もある。その点、安心安全を優先するなら、機能が限定的でもソニーのデジタルペーパーがおすすめだ。
 さて、実際にMusesを使い始めると快適だ。Kindleで専門書を読むと、紙での書籍のような大きさを感じてKindleで読むのとはちょっと雰囲気が変わる。またPDFはwifiを利用してデータ転送をするのだが、使ってしまえば、問題はないし、快適だ。
 アンドロイドタブレットとして、使えばBluetoothキーボードの接続も出来るので、試しに、接続して、MS-Wordまでインストールして、使ってみた(笑)。さすがにWordは重荷だった。日本語入力でも別途Google 日本語をインストールしなければならず、快適に使うにはエディターアプリをインストールしなければならなかった。この試用で改めて痛感したのは、ポメラD30の快適さだ。DM200に比べればATOKの変換効率が落ちるとは言え、そこそこに電子ペーバーの画面で文字入力ができるのはポメラだけだ。目の負担が少ない電子ペーパーで文書を作成するなら、やはりポメラDM30がいい。思わぬ副産物としての発見だった。
 さて、Likebook Musesだが、35000円ほど。液晶画面でも目に負担を感じなければ手を出す必要はないが、私のように、紙の書籍さえ自炊でPDFに変換して、画面を見る時間が長いものには、福音となるガジェットと言える。きびきびとした動きはないものの、目への負担を考える人には、一考の価値のあるガジェットだ。

 

それにしても、これで、手元にあるE-inkのガジェットは6台だ(笑)。どんだけE-ink好きなんだか(笑)。

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言えるからこそ、言えない

 今はブログやTwitterで個人が思い思いの考え方や感想を簡単に書いて、それを公表することが出来る。ブログは20年以上前からあったが、書き込む人はそれなりのパソコンやインターネットに精通している人で、市井の人には敷居が高かった。
 だが、Twitterが現れてからと言うもの、個人が自分の考えをあっという間に世間に公表することができるようになったし、インスタグラムではそれを画像として表出することが出来るようになった。
 考えてみれば、一部の知的特権階級の握っていた思考表現をみんなが手にするようになったのだから、ありがたい話と言える。しかし、一部の知識人たちが世論を左右していたときには、知識がある程度の歯止めとなって、また、その意見に対して編集者などのフィルターがかかることによってある程度精錬されたものになっていたはずだ。
 ところが、今や精錬どころかまさに「生」の意見がネットで跋扈するところとなり、その毒に我々はさらされているとも言えるんじゃないだろうか。事件やせそうに対して意見を言うのはいいことだし、いろいろな考え方があるからこそ、様々な議論の発端となり、よりよい社会に出来るとも言える。だが、個人的な狭義の意見も多くあり、それが拡散することで極端な考え方も流布しているように思う。
 私もこうして、ブログにして愚考をつらつらと公表しているのだが、私のブログは幸か不幸か極々少数の人の目にしか入らないので、毒にも薬にもならない。とはいえ、いつこれが一人歩きするとも限らない。だからこそ、万民の目に触れてもいいと思う内容だけを、感情にあまり極端に左右されずに書くようにしている。簡単になにもかも表現できる時代だからこそ、自分の言葉に対する責任の重さがのしかかっているのだと痛感するからだ。
 パソコン通信で初めてネットというものにつながったときには、ネットの世界は宝箱のように感じ、公衆電話からでも時間があるときにはネットにつなげるほど夢中だった。だが、ネットがコモディティー化してしまった今、あのときのわくわく感が感じられない。きっと、目にしたくないものも増えてしまったからなのかもしれない。

心ざわつく二つのガジェット

 昨夜、iPod Touchの新製品が発表された。中身のCPUをiPhone7と同じA10になっただけのものだが、それだけでも十分魅力的だ。3週間前にiPod Touchを購入して、1週間使用したものの、バッテリーの持ちと指紋認証がないことの不満で1週間で手放し、iPhone7へと乗り換えた。だが、あの小ささは確かにすばらしい。速度もあがったとなれば、その魅力ははかりしれない。心がかなりくらくらとするものの、やはり指紋認証のなさがつらい。たかが4桁の数字入力、されど4桁も入力するのだ。指紋認証や顔認証になれきった体には、それさえつらいと言える。
 もう一つ、心揺さぶられているのはLikebook Mimasだ。電子ペーパーのデバイスで、Android 6.0が使えるらしく、kindleのリーダーとしても使えるし、webもみられる。さらにキーボードをつけて、大きなポメラ代わりにもなる。現在ソニーのDPT-RP1とDPT-CP1の二種類の電子ペーパーを使っているが、不満なのはwebがみられないことなのだ。できれば、ニュースサイトは電子ペーパーでじっくりと読みたい。とくにJapan TimesやNew York Timesのサイトはそうだ。Mimasよりもサイズの小さいMusesならへそくりで何とか購入できるだけに、心がざわついてしまう。毎夜、ベッドの中でAmazonの購入ボタンと格闘が続いている。

iPod Touchの顛末

 2週間前にiPod Touchを購入して、ポケットに入れて使う話を書いた。確かに88gという軽さは新鮮で、胸ポケットに入れて、気軽に使える喜びを感じていたのだが、使うからこそ不満も出てくる。
 最初の不満は使う度に暗証番号を入れなければならなかったことだ。iPhoneであれば、指紋認証や顔認証で自動的に使えるが、iPod Touchでは4桁の数字を入れなければならない。その煩雑さが次第にいやになった。それなら暗証番号をオフにすればと思うかもしれないが、iCloudとひも付けしているので、なくしたときのリスクが大きすぎる。
 次にバッテリーの餅の悪さだ。Keynoteのリモコンとして使い、1コマの講義で使うと、それだけでバッテリーが亡くなってしまう。1日もたないのだ。
 使う頻度が多くなるにつれて、この二つの不満が大きくなり、ついにはじゃんぱらで売却してしまった。売値はちょうどヤマダ電機で払った現金とほぼ同じだけなので、ポイント分だけのマイナスとなる。
 とはいえ、これでは胸ポケット問題の解決にはならないので、iPhone7を購入した。今なら24回無金利でローンも組めるので、じゃんぱらの売却金を頭金としたら、毎月1700円弱の支払いとなった。
 結局、普段使いのスマホは、もうiPhone7で困らないレベルなのだと今更ながらに思い知るのであった。

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