何時ですか?

 先日、家族で食事をしながら娘と激論になった。話は簡単で「6時10分前は、何時か」というものである。おそらく私の世代や多くの人は、「5時50分以外ないでしょう」と思うであろう。私も妻もそうであった。しかし、娘は「6時8分とかでしょう」というのである。そんなバカな解釈はないと親は言い、いやいやそうなら時間をはっきりいうべきだと娘は言う。

 翌日、「もしかすると世代差か?」とセミナーの授業中にふと、学生に聞いてみた。「6時10分前に研究室に来てください」と言われたら、何時に行くのかと。そうすると、5時40分(しっかりと約束の10分前には行くという躾がされています(笑))と答える学生がいる中、「6時8分です」と答える学生がいた。なるほど、やはりその解釈はあるのだ。

 「6時、10分前」と6時と10分前に軽いポーズがあれば、5時50分となり、「6時10分、前」とポーズを置く位置を変えると、解釈が変わる。普段は前者としかとって来なかったが、この解釈の揺れも世代差なのかもしれない。世代間のコミュニケーションブレークダウンはこう言うところから生じるのだろうが、おじさん・おばさん世代も、また若者世代も自分の価値観で通じないものがあると認識して、物事ははっきりと明示することを心がける必要があるのかもしれない。